やりたいことが見つからないのは当たり前

やりたいことが見つからない。一生続けることができるものを見つけらない。
でも、一生続けられることなんて、そもそもほとんど無い。
風邪を治す薬を作りたいと言って、でもその薬が出来上がったあとの世界では、やることがなくなってしまう。
じゃ、次は老化を遅らせる薬を作りたいといって取り組む。で、またその薬ができたあとの世界ではなくなってしまう。
タクシードライバーが天職ですという人がきっといる。お客さんと話すのは好きだし、車も好きだ。どこか遠くに行くのも好きだし、自分の努力で小銭が積み上がっていく感覚も好きだ。地図も好きだし。きっともう一度生きるとしても、この仕事をしているんだろうなんてね。
でも、タクシードライバーという仕事がこの世界から無くなってしまうことは、もう決まっている。

イラストレーターという仕事もあっという間に変質した。
イラストレーターといえば絵本的な絵やニューヨーカー誌に載るような挿し絵のようなものをさしていたのに、いつの間にかライトノベルの表紙のような絵を描く人々の総称のようになってしまった。
いらすとやのような無料イラストで溢れかえり、画像検索でいくらでも無料で使えるようになった。
無料でないイラストは 500円とか、せいぜい 3,000円からで価格競争を強いられる世界になった。
そうなることは最初から分かりきっていた。

因果応報により、世の中は常に変化する。
この世に安定や保証はない。
そんなことは、みんな分かっているけど気づかないフリをしているだけだ。

だから、大切なことは一生続けられることを見つけることじゃない。
一番大切なのは、時代の波を人よりも早く読み取り、その波に乗ること。
自分がまあまあ得意なことを元に、まぁやってもいいかなってことを、その波が来たその瞬間、ほとんどの人が気づいていない瞬間に、誰よりも早く誰よりも沢山やること。

でも、その波はしょちゅうやってくるものではないし、準備ができている人しか乗ることができない。
だから波が来るまでに準備をしておかなくちゃ。
それが好きなことをやるべきということの正体なんだ。
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